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パーベル・ネルセシアンというピアニスト

ブログ担当のアサズマです。10月下旬に全道各都市で行われるネルセシアンピアノリサイタルまでまもなくとなりました。

今日はパーベル・ネルセシアンというピアニストについて、当会の全国版機関誌「日本とユーラシア」の記事を引用しながらご紹介しましょう。

ネルセシアン氏は1964年生まれ、現在はピアニストとしては脂の乗りきった時期であるように思われます。しかし、ロシア音楽学者の一柳富美子氏はネルセシアンについて次のように述べています。「何より驚くのは進化し続けていることである。特に、2005年頃からの上達がめざましく、この人に老いという言葉は無縁なのかもしれない」(『日本とユーラシア』2011年1月15日号)。40歳代半ばにしてまだ発展途上にあるというのは一柳氏も指摘するように「並々ならぬ努力やと鍛錬と節制」があるからでしょう。札幌支部では、ほぼ隔年でネルセシアンピアノリサイタルを開催していますが、会員を中心にリピーターも多く見受けられます。ネルセシアンが「進化しつづけている」からかもしれませんね。

次に、ネルセシアンの演奏の特徴について、専門家の言葉をお借りして述べたいと思います。作曲家の中島克麿氏によれば、ロシアのピアニストの特徴は、その音に「ヨーロッパやアメリカの演奏家にはない独特の芯」があり、「非常に強靱なフォルテシモから繊細なピアニシモまでそのダイナミックレンジも広い」ことだそうです。また、ロシア人の手が全体的に柔らかくふくよかなため、繰り出される音もふくよかであることも加えられます(『日本とユーラシア』2011年4月15日号)。当然ながらネルセシアンはそういった先人の師匠たちの流れも汲んでいます。一方で、中島氏は、ネルセシアンの演奏には彼のアイデンティティもはっきりと示されるとしています。

ではその「アイデンティティ」とはどのようなものでしょうか。海老原ゑみ子氏(八王子ピアノ教育研究会)は「感性と情感のある演奏」「指先から紡ぎ出される流麗な音の連続」といった表現、中添由美子氏(ピアニスト)は「ディナミークの幅の広さを含む卓越したテクニックと作品に対する多方面からのアプローチ」といった表現でネルセシアンの演奏を評しています。これらに彼のアイデンティティが集約されているといえるでしょう(『日本とユーラシア』2011年5月15日、6月15日号)。

いろいろと書き連ねましたが、すばらしい音楽を言葉で表現するには限界があります^^;やはり実際に聞いていただくのが一番です。世界的なピアニストであるネルセシアンの演奏を是非聞きに来て下さい!
by jesdoren | 2011-10-11 11:23
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